『月世界の女』
戦後SF映画に強く影響を与えたドイツの巨匠フリッツ・ラング監督の最後の無声映画です。東京国立近代美術館フィルムセンターにて「生誕100年川喜多かしことヨーロッパ映画の黄金時代」という特集として名作が上映されています。『月世界の女』は1929年に製作され、まだ月面到達まで40年もあるというのに、かなりリアルでした。ロケット発射する前にカウントダウンがあったり、ロケットを倉庫から出してプールみたいな水の中に入れて発射したり、月面歩行用の厚底ブーツがあったり、無引力の為の釣り輪やベルトが船内に付けたりするシーンには驚異的でした。40年後のアポロ11号にソックリなんて凄すぎました。さすがドイツ宇宙開発団体を作ろうとした監督だけはあります。間違いなのは月に空気があるぐらいです。ロケットのドア開閉ぶりにはなかなかカッコよくて、『2001年宇宙の旅』のディスカバリー号にも影響を与えています。女性宇宙飛行士なのも素晴らしかったです。
今まで『月世界の女』を見たのは、友人から借りたVHSやデジタルニュープリント版DVDですが、やはり劇場で見たほうがよかったです。技術的な面だけでなく、三角関係などの人間ドラマも見事に描いています。
おまけにヒトラーみたいなヘアスタイルまであって笑えます。もしかしてヒトラーも観て真似たではないかと勝手な想像してしまいました。


