『力道山』
10月30日(日)
第18回東京国際映画祭 特別招待作品クロージング『力道山』
昨日に続けて同じくオーチャードホールにて鑑賞しました。
戦後の日本人が熱狂した史上最大スーパースターだったプロレスラーの力道山の半生を描く日韓合作です。
私が生まれる前の出来事だが、小さい頃からよく父に聞かされて力道山という名前だけは知っていました。実は朝鮮人だったことも知ってたが、色々な昭和史のドキュメンタリーや歴史本やスポーツ史などには素敵な笑顔した力道山の姿しか載せていませんでした。おそらく本当の彼の姿は知らされてないかと思います。この映画は半生というよりも英雄の裏の素顔に近い物語で、相撲力士の時から兄弟子に苛められ、味方だとばかり思われた後援会長まで裏切られるなど波乱万丈な生涯だったとは本当に知りませんでした。日本プロレスを作ったのも彼だったとは知らなかったです。
大作にふさわしく、力道山役には韓国製ロバート・デ・ニーロと呼ばれるカメレオン名優ソル・ギョング(上の写真、タキシードの上着を着て下にはジーンズを穿く個性的な男性)が演じ、日本からもベテランの藤竜也、『電車男』のエルメス役を演じて話題になっていた中谷美紀、山田洋次監督の『学校』で好演した荻原聖人などの豪華なキャストが脇を固まりました。生でソル・ギャングを見るのは二度目です(嬉)。彼を初めて見たのは、『シル・ミド』のジャパンプレミアの時でした。『ペバーミント・キャンディー』とか『オアシス』などの秀作に主演して素晴らしい演技を披露しています。韓国映画だから、てっきり日本語は一部だけで韓国語ばかりと思ったけど、まさか日本語だけだったとは思ってみませんでした。ソル・ギャングは難関な日本語を見事に97%も喋りまくっておりました。映画の字幕は映画祭の為に英語字幕ばかりでした(聴覚障害者である私には悲しかったです)。外国映画によるの日本文化は間違いだらけだったが(例えば『ランジング・サン』とか『ラストサムライ』とか最新作『サユリ』など)、今回はほぼ正確な文化描写に大いに満足しました。芸者の舞踏も太鼓叩きも本格的でした。相撲部屋の中も本物と変わらず素晴らしかったです。
おまけ
その映画が終わった後、映画祭のクロージングセレモニーが行われました。コンペティション審査委員長チャン・イーモウ監督(私の憧れの監督!代表作『HERO』『紅いコーリャン』『LOVERS』など)、審査員には桃井かおり(最新作『サユリ』で怪演したのが話題になってる)、『リング』の原作者でもある鈴木光司、超有名な『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのプロデューサーのバリー・M・オズボーン、『めぐり逢えたら』のプロデューサーのゲイリー・フォスター、ドイツの映画評論家ロナルド・ハロウェイといったすごい顔ぶれでした。黒澤明賞のプレゼンターには黒澤明監督の愛娘でもある黒澤和子さんが務まり、山田洋次監督も来ていました。受賞されたのは、『悲情城市』のホー・シャオシェン監督でした。サクラグランプリ(変なネーミング。トロフィーもお粗末!)は佐藤浩市主演『雪に願うこと』でした。主演男優賞は佐藤浩市、主演女優賞はダブルで『私たち』(中国)のジン・ヤーチンと『女たちとの会話』(アメリカ)のヘレナ・ボナム・カーターでした。残念なことに主演であるヘレナ・ボナム・カーターは現れないで代理人が受賞したんです(おそらく規模の小さな映画祭には興味がないかしら・・・と勝手ながら思ってしまいました。)。
豪華な映画人が集まったというのに、セレモニーは本当につまらなくて地味すぎました・・・。最後には、セレブな映画人を舞台の端に置いて映画祭のスタッフが全員ぱっと出るとは・・・本当に絶句してしまいました。一生懸命に働いたのは認めるが、お粗末な演出だけはやめてほしいなあと思います・・・。


