司会寺島さん(以下Tさん)
セイルトレーニング、セイルトレーニング船とゆう言葉が出たんですけども、えっと、帆船ってゆうのは、どうゆう空間かと申しますと、プロフェッショナルなこうゆう人(トムさんを指す)のクルーが居まして、一般の方が応募して、例えば1週間なら1週間、船の船乗りとして生活する訳です、ハイ。で、その中で、こうゆうチームワークとかそうゆうものを創って行こうって感じです、ハイ。
トムさん
ローズは殆ど何時も撮影に使われました。撮影は大抵メキシコの特殊スタジオにあるレプリカでしました。
レプリカはローズと同じサイズで、大きい水槽(プール)に置いてありました。1度台風と戦いの場面で大きいコンピューターを使いました。
Tさん
今有りましたけれど、これが本物のローズです。現役の船で70年代に作られました。それで、これが映画の撮影の為に作られたレプリカ、いわばセットです、こんなデッカイ実物大のセットです。で、プールっていっても、これ全体がプールなんですよ。この右端の方、ちょっと波になってるのお分かりににりますかね、あそこからが、本物の海ですね。これ見て頂けると、こんなところに丁度良く人が・・・。どうゆうサイズなのかお分かり頂けると思います。(人ぼ高さの3倍位)で、これがCGですね、ハイ。
トムさん
マスター・アンド・コマンダーはパトリック・オブライエンが書いた本です。彼の20冊のシリーズの集約はオーブリー船長(館長ではなく船長と呼んでいる)とマチュリンとゆう海軍の医者です。オーブリー船長の1番大好きな船はサプライズです。これは・・・これはローズの役。
ローズの高級船員は熟練者達でした。彼はペイリーさんです、ペイリーさんはローズに20年位住んでいました。彼が船長でした。〜中略
ローズの最初の仕事はニューポートからカルフォルニアへ行く事でした。ローズのクルーがニューポートから出発した時、大体私達は帆走する事について教えなければいけませんでした。
Tさん
これがアメリカ大陸ですね、アメリカとパナマです。ニューポートはボストンのロングアイランドの近くです。
トムさん
この・・・ルートで帆走しました。
Tさん
パナマを通ってサンディエゴ。
トムさん
全部で70人位のクルーがローズに居ましたが、最初から最後迄居たのは8人位だけの仕事でした。
Tさん
トムは最初から最後迄だったんですか〜?
トムさん
ハイ
Tさん
ハイだけか〜(笑)
トムさん
この写真はサンディエゴで撮りましたが、ニューポートから出発する前に仕事をしているところを見せています。
最初に銅版を出発する前にかけました。これが銅版。
銅版をかけるには2つの理由が有りました。
1つめは伝統的でした、数百年前に木の船の船体で銅版をかけたら、船食い虫や海草が育たないのが船員によって発見されました。現在の木の船は、こうゆうローズの船体の様に船の塗料を使います。
2つめの理由は過去にローズが船首に水を入れました、銅版はその漏れを止める希望でした。
Tさん
この部分から水が入って来るので、それを防ぐ為ですね。
トムさん
1つの銅版に付き100本の釘がかけて有りました。6人で1週間ぐらいかかりました。
Tさん
釘を打つだけで1週間かかったのですか?
トムさん
1週間だけ・・・。(場内笑)
場内より質問
トムさん→Tさん
何時も付けておいたほうが、いいのですけれども、お金が無くて普段は付けないと。今回は映画の撮影の為の特別経費だったそうです。
トムさん
出かける前に色々な仕事が有りました。トップマストとか全部下・・・
Tさん
帆船のマストとゆうのは1本の木だとゆうことは無くて、それぞれの自立した部分に名前が有ります。縦の部分マストは何本か継木されています。横の棒の部分をヤード、それらをひっくるめてマストと呼んでいます。
トムさん
難しい航海が予測されていましたから、船体とリギンを修理して発つ予定でした。勿論、機関室でも色々な仕事が有りました。2台の馬力の新しいエンジンを2つ取替え新しいエンジンのシステムを作る仕事が有りました。2ヶ月位溶接工やエンジニア達が沢山居ました。
Tさん
何時ニューポートを出たんでしたっけ?
トムさん
1月
Tさん
その季節って、難しい航海が予測されてるってありましたけれど、その季節は天気が悪いと。?
トムさん
とーても天気ワルイ。・・・悪い天気。
トムさん
全部の仕事が終わった後で、2002年1月中旬に日本に帰って来ました。その季節の大西洋は大変です。とにかく凄い嵐が有ります。
最初の2日はいい帆走をしました。新しいクルーと帆船について教えあったり、リギンとエンジンを調べたりしていました。船長は新しいエンジンを楽しんでいましたけれど悪い天気が来てた事が分かりました。3日目に来ました。嵐が2日続きました。波が7m位で風が80ノットでした。
Tさん
80ノットとゆうのが、どれ位凄いかとゆうと風速40m位です。なので台風のど真ん中に居る事になります。
トムさん
この写真でローズの傾きが見られます、船が折れないように2つしか小さな帆を上げないで風の逆方に進みました。写真のこの人は船のシェフです、彼は嵐の時にローズで1番大変でした。何時も美味しい料理を作ってくれました。
Tさん
どんな料理ですか?
トムさん
ビーフ・シチューとか…ハンバーガーとか…色々ポテトとか・・・。
Tさん
この辺(お腹)に纏わり付きそうな、でも美味しいと。
トムさん
うん、とても美味しい。
トムさん
ローズは様々な問題を引き受けました。新しい銅版でさえも船首に水が入って来ました。・・・ちょっと心配でした。
デッキにも色々な漏れが有りました。沢山ベッドが濡れましたクルーは大体デッキの下にも防寒着を着ました。それは小さい問題でした。
大きな問題は火災報知のシステムに水が入ってショートした事でした。船で直せなかったので、その時からシステムが使えませんでした。幸い航海には問題が有りませんでした。風が1番強い時にメインマストの1番下の方は、風で巻き上げられ張られました。
Tさん
帆っていうのは使って無い時は、ヤード(横棒)に括り付けてあるんですね。で、風が強すぎると全部張ってると船が倒れてしまうので、結構畳んで括り付けて有るんですけども、その内の縛ってあるやつが、一生懸命風から逃げようとしていたのでバタバタし始めていたので、それを、もう1度キツク締めなくちゃいけなかった。とゆうことです。
トムさん
私と4,5人のクルーで帆を巻きました。クルーは新米が多かったので、それはとても難しかったです。新米の彼等は、いくら天気でもマストに登るのが余り得意じゃありませんから、嵐の中で登るのは挑戦でした。必死に頑張って1時間半位で出来ました。
Tさん
1時間半といってもですね、この嵐の中。あの〜地震の時もビルの上のほうが揺れますよね、一緒です。上の方が揺れます。なので風にビューと飛ばされながら、こう1時間半格闘していたということですね。たった1枚の帆を巻く為に。
トムさん
嵐の後の2,3日、甲板の下に散らかったものを片付けたり、道具を乾かしたりしていました。カリブ海に到着の時には、雲は帆走するのに良くなって天気が暖かくなりました。カリブ海は何時も綺麗ですが、大きい嵐の後ではとても綺麗でした。エンジンを切って、初めて帆だけで帆走しました。ローズのスピードは10.9ノットでした。今までの中で1番速かったですが、その時は必要有りませんでした。
Tさん
今エンジンを切ったと有るんですけども、帆船も勿論エンジン付いています。ってゆうのは、今、港とか凄く入り組んでいたり、船が一杯居たりして、まあ私は詳しくは無いのですけども、この大きさの船ならエンジンの大きさととかも決まってるのでしょうね。
で、基本的には、帆船とゆのは目的地に何日に着かなくてはいけないってゆうのが無ければ、帆だけで走ります、それが帆船です。ですけど、間に合わない、どうしようも無い、嵐で物凄く難しくなってきてしまうので、とか、そうゆう時とかはエンジンを使って走ってます。
なんで、エンジンだけで走っている時、帆とエンジンで走っている時、それから帆だけで走っている時、と3パターンが有ります。
で、10.9ノットってゆうのなんですけど、これ、どれ位の速さだと思いますか?えっと、陸だったら、かなり頑張ってるママチャリの人位の速さ、時速20k位です。
トムさん
中略(聞き取り自信無し)
私はハッとした事を思い出しました。最初にジブのシートがプツンと切れたと思いましたが、本当はそれよりずっと悪かったのです。
Tさん
実際どんな音だったのでしょう?
トムさん
う・・・ん(と考えてから)どーン(と足を踏み鳴らす) 場内笑
Tさん
あの〜ロープがピシッ、ピツッと鳴ってどっかに当たっている音だと思ったそうです。それで帆に結ばれているロープが切れたんだと思ったそうですけど、実は・・・・
トムさん
メインマストが壊れてしまいました。運良くマストはロープで支えられていましたから、大半は補えましたがデッキ迄足りませんでした。マストを立てた時、他のヤードを調節するロープにからめました。そしてフォアマストに有る後ろに折れました。
Tさん
この写真を見て頂いて分かると思うんですけど、とにかく船の上の、こうゆう重い木とかは物凄い数のロープで支えられているんですね。それに上手い事助けられて、下迄この重い木が折れて来なくて済んだと。もし落ちていたら、どうだったのよ!と・・・怖いですね。
トムさん
・・・・早く安全にしなければなりませんでした。最初に大きい木で、リギンが揺れない様に折れたマストを安定させました。括り付けた後で船やロープを片付け始めました。大きく折れたマストは夜、そのまま置きました。次の朝アンディさんとマストに登る時、トップマストは半分折れているのを発見しました。私達は折れたマストを急いで片付けて、メイントップマストを調べ始めました。今度はマストの悪い部品は付けないので、メインマストを折れさせない事でした。この写真は折れたマストです。大きいクレーンで、ひびの入ったメイントップマストを下ろしました。
Tさん
全部壊れているんですか?
トムさん
大体壊れてる。
Tさん
有難うございました。
トムさん
岸から見たローズです、このマストは1番高くて、このマストは1番低いです。この偽装(応急処置の事?)でサンディエゴに到着しました。
Tさん
この写真綺麗なんですけども、これは場所は何処ですか?
トムさん
トコマ島(???聞き取り自信無し)
これは最後に面白い天気でした。ー竜巻の写真を掲示ー 場内爆笑
これは2つの水上の竜巻です、これらはホントに危ないですが、余り近くに来ませんでした。
Tさん
こうゆうのに遭うってのは珍しいんですか?
トムさん
航海の前の時にも太平洋であったんです。
トムさん→Tさん
えっと、これ写真を見て頂くと2つ有るんですけど、実は写って無いところに、もう1本有るんです。
こいつら(竜巻)の動きは目茶苦茶速いので、来たら来ちゃったと・・覚悟を決めるしか無いとゆう事ですね。
中略
トムさん
サンディエゴに到着した後で、ローズはパトリック・オブライエンの映画に出ました。沢山の人が仕事をしました。
この絵はパトリック・オブライエンのサプライズのイメージです。私達はこの通りに、ローズを作らなければなりませんでした。
この仕事は100人で4ヶ月位かかりました。最後の月、毎週100時間位働きました、その内に私の誕生日でした(場内、笑)
Tさん
100時間も働いている間に誕生日を迎えちゃって、何歳になったんですか?
トムさん
30歳
Tさん
おめでとうございます。
トムさん
アリガトー
トムさん
最初に全部解体しました、1番下のマストだけは、そのままにしておきました。1日に色々な機器を外しました。映画はFOXのメキシコに有るスタジオで制作していましたから、機器はトラックでメキシコに持って行きました。解体の後、ドライドッグに行って、そこで船大工は船体で働く事が出来ました。この写真はメキシコへ行く船旅のすぐ前に撮りました。バウスプリットは新しいものを見る事が出来ます。
トムさん→Tさん
マスト全部は、お金がかかるから立てなかったそうです。映画の時はハリウッドマジックがかかっていた(CGで上の方のマストを補う)そうです。
トムさん
船大工の1番目の仕事は、古いトランザムを分解する事でした。勿論船体の特徴は大切な事ですから重要な仕事でした。10人の船大工で1ヶ月半位かかりました。
Tさん
この後ろの部分(バウスブリット)が、ローズだとお尻が平らだった訳ですね。サプライズは丸みを帯びている感じだったので、それを作り直さなければならなかった。それに1ヶ月半もかかったという事です。
トムさん
この写真でトランザムの変化が見られます、これは大砲の元場です。
Tさん
これはクォーターキャビン船長の部屋です。サプライズの方がローズのクォーターキャビンより、気品が有ります。構造はちょと弱いです。
この写真で古いトランザムと新しいサプライズのトランザムが見られます。サプライズのは見事に曲げてます、大砲の元場のドアも有ります。−中略ー
重要な仕事が有りました、これは新しいビットです。新しいデッキの下に有る窪みは杭形(?)になっていましたから、木が腐らない様に20kg位の塩を入れました。窪みはここです。
この新しい船首(船首像)と古い船首を比べる事が出来ます、勿論新しい船首を貰いました。
この碇は、とても重そうに見えますがホントはプラスティクで出来ています、中は空洞です。
Tさん
なんか、それで事件が起きたって事を聞いたんですけど、何が起きたんでしょうか?
トムさん
海に碇を降ろした時、その碇は浮きました。(場内大爆笑)
トム→Tさん
監督が碇が重いはずなので、ザーっ、ドドーっと海に入って行く絵が撮りたくて、碇を降ろせと言われた。ところがプカプカ浮いてきちゃった。そして、中に水が入って行って、引き上げてもう1辺海中に戻して沈めたそうです。でも結局撮影にならなかったので、映画ではその場面(碇が海中に沈んでいくところ)は使われなかったそうです。お金をかけなきゃ駄目って事ですね。
トムさん
サプライズ号のリギンは当時、とても大きいロープで作られていました。(植物性のロープの為)ローズのリギンはワイヤーロープで作られていました。だから最初のより小さかったです。ローズのリギンを大きく見せる為に、全部リギンをロープで包まなければなりませんでした。この仕事はとても大変でした。
Tさん
えっと、先程からリギン、リギンという言葉が一杯出ていますけど、マストを支える為の細いロープとかじゃ無くて、支える為の支柱になっている、ぶっといやつですね。昔はもっと太めだったので、その為に大作業が行われたとゆう事です。
トムさん
10人のクルーで2kmのロープを使って1ヶ月位かかりました。このポップステイとゆうリギンも新しいのです。これを作るのには、10m位の高い足場に座って50mのワイヤーロープを使いました、ホントに面白くて楽しかった仕事です。
Tさん
高いところがいいの?
トムさん
OK!リギンの少ない部品の為にゴムのモールを使いました、ハリウッドマジック。
Tさん
元々あったのにカバーをかけて、太い植物性ロープらしく見せかけました。
トムさん
これは、マスター・アンド・コマンダーのスクリプトです。(場内歓声ドッと沸き起こる)
Tさん
ここはオークション会場の様です…ラッセル・クロウのファンの方は特に欲しいものでしょう。
トムさん
色々なページが有りますけど、例えば、最初のスクリプトの色は青でした、書き換えられて次がピンクになりました。
映画で働く前に私は、俳優が全部のスクリプトを暗記しなければならない、と思っていましたが違いました。
撮影の時、俳優の台詞は2,3文しか有りません、時々一言だけが有ります。
Tさん
例えば、その一言は?
トムさん
例えば、、ファイヤー!サー!(笑)
ホントに難しいのは、台詞を話す事では有りません。それよりも気持ちを見せる事です。話すのは簡単ですが、人を信じさせる事は、とても難しいです。
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